第3章 正しい情報のある場所。

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「え、いつから?どういう経緯でそんなことに!??」 マキが勢い込んでセキ兄ちゃんに食いついている。 セキ兄ちゃんは、無口でクールだ。 無表情なので、普段は何を考えているのかよく分からない。 そのくせ、舞はすごく情熱的で猛々しく、そのギャップが堪らないというファンが多い。 「…小さい頃から一緒だからな。」 いやいや。 それなら、私も、ナキ兄ちゃんも。 ……ナキ兄ちゃんも。 ちらりと見ると、ナキ兄ちゃんはいつもと変わらない様子で、興奮するマキをにこやかに見ていた。 ナキ兄ちゃんへの初恋を封印したのは。 ナキ兄ちゃんが、お姉ちゃんの事を好きだと気付いたからだ。 ナキ兄ちゃんもミカサ君も…どうして、私の好きになる人は、私の身近な人に思いを寄せるんだろうな。 「いやいや、小さい頃から一緒だからって、結婚には至らないでしょ?」 「……そうか?俺はずっと、アイラと結婚すると決めていたぞ。」 きゃーーーーー! あのクールなセキ兄ちゃんが。 なんて情熱的な。 いや、そうか。 踊りと同じく、本当は情熱的な人だったのか。 「ずっとって…いつから?」 「さぁ…3歳くらいの時には決めていたと思うが。」 「その時、アイちゃんはまだ1歳じゃない。」 マキちゃん……お兄さんを気持ち悪いものでも見るような目で見たらダメだよ。
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