第3章 正しい情報のある場所。

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「今まで魔法使いに任せきりだったことを、人間も当事者意識を持って戦うべきだと言う風潮が出てきている。 全てを把握した上で、自衛の手段を持たねばならないと。 しかし、自衛の手段を持つと言うことは戦う力を持つということ。 それがテロを助長することになるのではないか、さらには大きな戦争を引き起こすことに繋がるのではないかという意見もあり、話し合いは難航している。」 ここまで来て、父がやけに詳しすぎることに気づいた。 ただのサラリーマンがそんなに知ってるものなの? これらのことも、スズキ先生が家庭訪問で喋ったんだろうか。 全ての親に説明するような内容ではないような気もするんだけど・・・ 「サリ・・・君の本当の立場をきちんと説明したほうが良いんじゃないか? クルミちゃんが混乱しているよ。」 私だけじゃなくて、マキも、ついでにお姉ちゃんも混乱してるみたいですけどね。 「アイラとクルミにはいずれ話さなければと思っていたんだけどね。 私は銀行員でもあるけれど、国際魔人連盟の顧問でもあるんだ。」 えっと。 えっと。 えっと。 ・・・え? 「クルミが魔法使いになりたいと言ったとき・・・止めるべきか迷った。 私の娘である以上、魔法使いには選ばれないだろうと分かっていたから。 しかし、私にも秘密保持契約があるから、言えなかった。 魔法使いを目指して学ぶことは無駄にならないと思い、レットラン学園に入学することを許可したが・・・すまなかった。」 つまり・・・私が魔法使いになれなかったのは、お父さんのせいって事でOK?
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