第3章 正しい情報のある場所。

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「お父さんが・・・・・・・・・・・・・・・?????」 お姉ちゃんの頭にハテナが飛び交っている。 わかるよ。 私も混乱してる。 「ちなみに、ユキもだよ。 クミール家とミライ家は代々、魔人の在り方について常に関わる立場を担ってきた。 家庭訪問のとき、他の家でどういう話をしたのかは知らない。 我々に関して言えば、私たちの秘密保持契約を予定より早く子供に明かしても良いという許可がメインの話だったよ。 本当は、成人のタイミングでするという契約だったからね。」 代々って・・・いつからよ。 だからずっと、家同士で仲が良かったのか。 こんな平凡なサラリーマン家庭と宮廷舞踏団団長の家が、どうしてずっと仲良しなのか不思議だったんだ。 「クミール家はともかく、なんでウチが?」 お姉ちゃんの問いに、父も首を傾げた。 「なんでも、ミライ家の祖先に勇者様がいたからって話だったけど・・・今となっては分からないね。とにかく、僕の父も祖父も曽祖父もみんな、魔人に関わる会議には出席することが義務付けられてきた。正直、僕が出たところで誰も意見なんて求めてこないけれど・・・決まってるものは仕方ないな。 ユキはまだ、宮廷舞踏団という立場があるから、出席する価値もあるんだろうけど。」 父はそう言って笑うが、私もお姉ちゃんも笑えない。 だって・・・ 「つまり私かお姉ちゃんのどちらかは、国際魔人連盟の顧問?にならなきゃいけないってことだよね。」 確認すると、父は申し訳なさそうに頷いた。 「アイラはクミール家に嫁ぐことになったから・・・クルミは婿をとってミライ家を継ぎ、僕の立場も継いでもらうことになるね。 まぁ、どうしても嫌だってことになれば、イスタリアで働く僕の弟を呼び戻すことになるんだろうけど。」 うわぁ・・・それは嫌だ。 10年以上会っていない叔父は、いつも暗くてじめじめしていて、その癖魔石のこととなると目をギラギラさせて語り尽くそうとする変わり者だ。 捕まると延々魔石の魅力を語られ、途中であくびでもしようものなら、「お前なんて死んでしまえ!」と言わんばかりに罵倒される。
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