第3章 正しい情報のある場所。

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魔組の生徒は一年生の二学期から、人間のままで魔法を操る力を得ると。 魔脳部を活性化させる薬を投与され、その力を得ると言う話だった。 まさか、その薬が流出しているということ・・・? それを言うと、父もおじ様も驚いたような顔をした。 「スズキ先生はそこまで話しているのか。 確かに、その可能性も否定できない。 魔人連盟が作っている分の薬は全て確認されていて、流出していないと断言できる。 可能性としては、薬の製造方法が流出したか、あるいはその力を持つ人間が関与しているか・・・」 「その力を持つ人間って・・・つまり、魔組の生徒って意味!?」 おじ様の言葉にマキが声を荒げる。 多分、脳裏にいるのはミサキ先輩だろう。 「可能性としてはゼロではない。 学園独自のシステムで、魔組は他の生徒や教師から遮断された空間で生活している。 土日に少し寄宿舎を抜け出しても露見しにくいだろうし、長期休暇ともなればなおさらだ。 実際・・・この夏は立て続けにいくつかの村が襲撃されている。 しかも、世界同時多発的にだ。」 マキが顔を青ざめさせている。 ミサキ先輩の関与を心配しているのだろう。 でも、私は別の人物を思い浮かべている。 魔法研究部に入らず、天文部を隠れ蓑に謎の活動をしている人たち・・・ ミカサ君や、トラン先輩だ。 以前ミカサ君にその話を聞いた時は、やけにはっきりしない物言いをしていた。 私に踏み込んで欲しくないとはっきり言っていた。 それに、トラン先輩がスズキ先生の動向を気にしているとも言っていた。 そういえば、高等部に進級した最初の頃、トラン先輩のスーミル=アマサに「スズキ先生には気をつけろ」って言われたっけ。 ・・・あの人たち、もしかしてテロに関与してたりしないよね・・・?
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