第1章 主役じゃない日々の始まり。

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この日から、授業が始まった。 今日から3日間は、午前中は授業で午後は部活見学だ。 この3日間で仮入部先を決め、一ヶ月の体験入部ののちに正式入部となる。 仮入部は途中で何度でも変えられるが、あまりコロコロ変えるのは先輩からの印象を悪くしてしまうため、大抵は1~2ヶ所の仮入部から正式な所属を決める。 高等部では最低1つ以上の部活に所属しなければならない。中等部には部活がなかったので、初めての部活動は楽しみでもあり不安でもある。 一組の授業では、基礎魔法学という科目を担任のスズキ先生が担当するらしい。 普通科が王属魔法師に教わるなんて前代未聞の事であり、しかも魔法学を魔法使いから学べるなんて、とてもとてもラッキーな事だ。 スズキ先生は元々魔組の特別講師であり、魔組の授業では3科目受け持っているらしい。 普通科では、数学・国語・生物・物理・基礎魔法学・歴史・地理・政治経済・体育・音楽・家庭科の11科目をクラス単位で学ぶ。 二年生からは進路に合わせての選択制となり、同じクラスであっても選択内容によってはほとんど顔を合わせない事もある。クラスは選択内容に関係なく、進級テストの結果で振り分けられるからだ。 魔組では普通科との共通科目として、数学・国語・生物・物理・基礎魔法学の5科目がある。 それ以外では、社会という科目で、普通科で学ぶ歴史・地理・政経を掻い摘んだ内容を学ぶ。 体育の代わりに、戦闘を視野に入れたより実践的な体術のクラスがあり、あとは魔法物理学・魔法実践学・魔法史・魔薬学という専門科目がある。 魔組でも進級テストを受けるが、魔組から普通科への編入は基本的にない。 一年生から違うカリキュラムのため、編入しようがないのだ。 魔組の授業内容は相当難しく、三年間学んだ後、仮に魔法使いにならなかったとしても、関連分野での就職には困らないだろう。 魔法使いにならずに大学へ進学する者も毎年何人かはいるらしい。 あらゆる選択肢を持てるのが、とても羨ましい…。
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