1347人が本棚に入れています
本棚に追加
「マキちゃん…ごめん。僕はアーチェリーには入れないけど…文芸部は一緒だから!」
会長が、心の底からとても残念そうに言う。
え、ちょっと涙目になってない?
そこまで??
「あー、会長は剣術部に入らなきゃでしょ?
別に文芸部には入らなくても…」
「兼部で頑張る!」
ん?
「なんで剣術部なの?」
くりんくりんの茶髪にぽっちゃり体型の会長は、そもそも運動部向きには見えない。
「僕は、一刃流家元の長男だからさ…剣術部としてこの学園で結果を出すことが、跡継ぎの条件の1つなんだ。」
驚いたのは私と部長だけ。
幼稚園や小学校から一緒のマキとエーデルトリオは、知っていたようだ。
「ねぇねぇ、今度でいいから、構えの姿をスケッチさせてくれない!?」
「部長は絵も描かれるんですか?」
テンションの上がった部長に聞くと、「むしろ絵が専門!」と意気込んで答えてくれた。
いつもはマキに対して押せ押せの会長だけど、押されるのには慣れていないようで、部長の様子におどおどしている。
「あー、嬉しいなぁ!今、魔物時代の冒険者の話を構想中でね。副部長と2人でストーリーを作ってるんだけど…臨場感のある戦闘シーンがなかなか描けなくて。」
奥の棚から出してきたスケッチブックには、戦闘シーンをのラフ画がいくつも描かれていた。
どれも十分に上手だと思うんだけどな。
「もっとこう…筋肉の盛り上がりや筋張った腕の感じとか…出したいんだ!」
おっと、部長の素が出てきましたね。
「でも…会長じゃあ、筋肉とか筋は無理なんじゃ…」
色白ぽっちゃり君だもんね。
「僕はこう見えて、脱いだらすごい。」
こう見えてって…自覚はあるんだね。
「ちょっと、袖まくって見てよ。」
おもむろに捲りあげた袖の中身は…
うん、ぷにぷにだね。
最初のコメントを投稿しよう!