第2章 勉強は大変なものだ。

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「マキちゃん…ごめん。僕はアーチェリーには入れないけど…文芸部は一緒だから!」 会長が、心の底からとても残念そうに言う。 え、ちょっと涙目になってない? そこまで?? 「あー、会長は剣術部に入らなきゃでしょ? 別に文芸部には入らなくても…」 「兼部で頑張る!」 ん? 「なんで剣術部なの?」 くりんくりんの茶髪にぽっちゃり体型の会長は、そもそも運動部向きには見えない。 「僕は、一刃流家元の長男だからさ…剣術部としてこの学園で結果を出すことが、跡継ぎの条件の1つなんだ。」 驚いたのは私と部長だけ。 幼稚園や小学校から一緒のマキとエーデルトリオは、知っていたようだ。 「ねぇねぇ、今度でいいから、構えの姿をスケッチさせてくれない!?」 「部長は絵も描かれるんですか?」 テンションの上がった部長に聞くと、「むしろ絵が専門!」と意気込んで答えてくれた。 いつもはマキに対して押せ押せの会長だけど、押されるのには慣れていないようで、部長の様子におどおどしている。 「あー、嬉しいなぁ!今、魔物時代の冒険者の話を構想中でね。副部長と2人でストーリーを作ってるんだけど…臨場感のある戦闘シーンがなかなか描けなくて。」 奥の棚から出してきたスケッチブックには、戦闘シーンをのラフ画がいくつも描かれていた。 どれも十分に上手だと思うんだけどな。 「もっとこう…筋肉の盛り上がりや筋張った腕の感じとか…出したいんだ!」 おっと、部長の素が出てきましたね。 「でも…会長じゃあ、筋肉とか筋は無理なんじゃ…」 色白ぽっちゃり君だもんね。 「僕はこう見えて、脱いだらすごい。」 こう見えてって…自覚はあるんだね。 「ちょっと、袖まくって見てよ。」 おもむろに捲りあげた袖の中身は… うん、ぷにぷにだね。
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