エピローグ

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「どうして俺には教えてくれなかったんだよ」 続いて出てきた拗ねた口ぶりに、まるでヤキモチみたい!!と、今度は顔がにやけそうになる。 いかんいかん。 相手は怒っているというのに、喜んでるのバレたらやばいって。 「ユズとマリアには今回の活動に協力してもらわなくちゃいけなかったし…マキはそもそも、私じゃなくて姉経由で伝わってしまってたし」 私の旅立ちをどうしても阻止したかった心配性の母と姉が、マキを使って引きとめようとしたのだ。 でも結局、既に結婚と他団体への所属を決めていたマキは、挑戦する私を応援する側にまわってしまったけど。 「そうか…でもやっぱり、みんなの前じゃなくて、ちゃんと対面で聞きたかったよ」 「…そうなの?」 どうしてだろう。 対面で報告したところで、ミカサ君にとって何かが変わるわけでもないのに。 真意を測りかねて首を傾げる私を、ミカサ君が恨みがましい目で睨んだ。 え、怖いよ。 なんだろう。 なんでそんなじっとりした目で見られてるんだろう。 「クルミ」 「は、はい?」 「これ持ってって」 ミカサ君が私の手を取り、シャラっとした何かを乗せた。 ずっと握りしめていたのであろうそれは、私の手のひらにじんわりと優しい温もりを伝えてくる。 「これって…」 金色の鎖に薄緑の魔石がついたネックレス。 その色が、ミカサ君の髪色に似て見えるのは気のせいだろうか。 「その色、俺の髪と似てるだろ?」 気のせいじゃなかったらしい。
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