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だが、貧乏臭いからやめろと夫には言われたが、出汁を取った昆布と鰹節は佃煮にしていただく。
これは私の持論と言うか勝手な印象だが、二番出汁三番出汁をとらなければ、まだまだ旨味が残っている様な気がしてついつい作ってしまう。
夫は好き嫌いが多い癖に食い道楽。
そう言えば鰹節より鯖節がどうのと言っていたと、記憶の片隅にある。
しかしこれは果たして夫が言っていた事なのか他の誰かの事なのか、定かでは無い程曖昧な記憶。
おみおつけの隠し味を探求し、聞きかじった知識であれこれやっていたのは覚えている。
先に酒で味噌を溶いた方が美味いや、最後に醤油を入れるだ酒粕だスダチだ等、ありとあらゆる事を試しては一喜一憂していた。
そんな事を思いだし一人小さく笑えば、自分でも無意識のうちに青菜と油揚げを出汁に入れていたらしい。
果たして自分はその無意識のうちに油揚げの油抜きをしたのだろうか。
少し悩んだ末、覚えていない物は覚えていない、どうせ食べるのは自分だと開き直りくるくると鍋をかき混ぜる。
火を止め味噌樽から味噌を一掬いししっかりと溶かす。
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