9人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
ポンさんはやはり声は出さず、頷いてトレーの上にお金を乗せる。いつの間にか暇だったらしい透くんが商品を袋に入れてくれていた。レジへとお金をいれていると、
「お品物になります」
なんていって彼が袋を彼女のほうへ取っ手を向けて置いた。そしてそのまま、
「今日はポン酢だけじゃないんですね!」
明るく言ってしまった。
私も、ポンさんも、一瞬動きが止まってしまう。
確かにポンさんとは言っていない。しかしそういったも同然である。
「透くん」
お釣りの小銭を自分の手にのせながら小声ではなしかける。
最初のコメントを投稿しよう!