3. ポンさん

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「すみません、でした」 「……えっと?」 「わ……わたしが……ポン酢ばっかり……買うから……」 初めて聞いたポンさんの声は、とても小さくて、かすかで、儚くて、きれいだった。 「覚えられた……んですよね」 「……常連さんのことは、覚えてますよ。あなた以外にも」 「わたし……以外も?」 「はい。毎日来る方もいますし」 そういうと、耳の赤さがじんわりと消えていって、安心したような目元になった。 「それなら……良かったです。わたし、人に……見られたく、なくて」
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