1. コンビニ

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――今日も来たんだな。 曜日は決まっていないようだが、週に一度はポン酢を買いに彼女がやってくる。もちろんポイントカードがあるから名前は知っているのだが、なんだかストーカーめいているからその名前を呼ぶことも呼んだこともない。それに、正直言って読み方に自信がない。 「いらっしゃいませ」  彼女がポン酢を手にこちらへと向かってくる。そのまま台におくと、カバンから財布を取り出した。細い指で華奢な体つき、茶髪のサラサラしているストレートロングの髪は印象的で、おそらく美人なのだろう。 「395円になります」 おそらく美人なのだろう、というのは、確信がないことの証拠だ。なぜ確信がないのかといえば。 その人は、コンビニに来るときはいつもマスクをしているから。
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