9人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「昨日、陽ちゃんと別れたあとね、男の人と知り合って。で、今朝たまたまその人を見かけたからあとついてったらコンビニにいてさあ」
あたしは、心臓が止まるかと思った。
昨日別れた後、間違いなく店員さんだ。コンビニ、というのもそうに違いない。
「その人ね、私の顔覚えてなかったの! 名刺も渡してたのにさあ。カッコイイからお近づきになりたいなーって思ったんだけどねえ」
そういって汐はけらけら笑った。
あたしも、目は同調して笑う。口は笑えない。
ほら、マスクがなかったらこういう偽りのコミュニケーションもできない。
最初のコメントを投稿しよう!