7. 気付かない顔

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「次の方、どうぞ」 朝は滅多に入ることがなく、本当にたまたまだった。そんなときに、彼女があらわれた。 「お願いします」 「はい。108円1点、368円1点、227円、合計で703円になります」 「えっと……これで」 「はい、カードですね。……どうぞ」 そこまではいつもどおりだった。品物のバーコードを読み取り、袋も準備しながらそういう。しかし、カードを置く場所になかなか手を動かさないのでそこで初めて顔をみた。 「…………」 「……? お客様、あの、カード」 「え……マジ?」 「?」 彼女が何を言っているのか分からなかった。
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