10. 自覚するには遅すぎて

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「汐、半分払うよ」 「えー? いいよ! これから2人で食べるのに」 「……そう?」 「うん。はー、男性の店員さんいなかったなあ」 ――やっぱり。 店員さん目当てだったんだ。けど、それはマスクの中に閉じ込めて、目は愛想笑い。いつものこと。 そうやって帰ろうとした矢先に、コンビニの制服を着た男性が現れた。 「あ」 「あっ」 店員さんが声を上げて、汐も嬉しそうに声をあげた。あたしは、どこを見ればいいか分からなくて、とりあえず地面のほうに視線をそらした。
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