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「また会えましたね!」
「また会えた、っていうか……」
店員さんは困ったように笑っている。当たり前だ、彼からすればよく分からない状況だろうから。彼はあたしの持つ袋に気がついたようだった。
「あ、今日も来てくれたんですね」
その何気ない言葉に、汐の目の色が変わってしまった。
「今日も? ……そっか、近いもんね?」
汐があたしをみる。どんな顔かは分からない。怖くて見れない。
「え、あ……う、うん……」
「そう……、あなたは陽ちゃんのことは覚えてるんだ」
汐はあたしを見ながらチラチラと店員さんを眺める。自然と袋を持つ手に力が入った。
「常連さんですから」
店員さんはやんわりとあたしをかばうようになだめる。
「ふーん。私のことも覚えてくださいよ」
「……物覚えが悪くてもよければ」
きっと、その答えがベストだった。
けれど、あたしにとっては嫌な答えだった。
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