10. 自覚するには遅すぎて

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汐は驚いた顔のままで続ける。 「ちょっと、何それ? ならなんで」 その先の言葉を聞きたくなくて、あたしは袋を地面に落とす。 それに気を取られた汐に、ごめん、と小声で呟いてから私は2人に背中を向けて走り出していた。 「ちょっと! 陽ちゃん!」 汐の声がおいかけてくる。 それでもあたしは、自分が何をしたのか、したいのか、よくわからないまま走った。
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