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「おはようございます」
オフィスについて、一応挨拶をしながら自分のデスクに向かう。声は小さいし、存在感も薄いから誰も返事なんてしない。それでも時々は気付いてくれる人もいて、デスクが隣の同期である彼女――汐もそうだった。
「おはよう、陽ちゃん」
「汐。おはよう」
「マスク、今日はピンクか」
「うん。青が好きなんだけど、前に手術する人みたいって取引先の人に言われたから」
「あはは、なるほど」
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