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「くそっ!どうしちまったんだポールさん!」
「俺たちの細工が売りなのに、機械にまかせるだって?できんのかよ、機械なんかによ!」
「僕らどうなってしまうんだ。」
酒瓶をテーブルへ叩きつけるパドック。
アンカーも苛立っているようでしきりに酒を煽っている。アンディは実感がようやくわいてきたもののどうすることもできず、ぼんやりと空を眺めながら三人で飲むのも最後かもしれないからとポールが誘ったこと、今までのように和気あいあいとした雰囲気はなく、誰もが苛立ってしまっていることを寂しがっていた。
三人で別れを惜しみながら帰り道につくものの、アンディはやはり上の空で、家に帰るために、港のそばの坂を登っていったが、何かにぶつかってしまった。
「うわ!すみません、あんまりぼんやりとしていたものだから…」
アンディが顔を上げると可愛らしい女の人がゆっくりと立ち上がるとこだった。
大丈夫ですか?と声をかけ、手を貸すアンディだったが
女の人は手を取ることもなくただ立ち上がり、スタスタと歩き去ってしまった。
「あんなに美しい人はじめてみた、この辺のひとならば知っているはずなのに…もしかしたら観光か、買い付けの人かもしれない。」
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