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「だめだ、上手くいかない…」
あれから、この際贅沢は言えないとあちこちの工房に行くものの、快い返事はもらえなかった。
「あの人に一目会いたい…あの人が僕のオルゴールを見てうっとりしてくれたらそれだけで幸せなのに…」深いため息をつくやアンディは側にあった箱を引き寄せる。
箱には精巧に彼女の横顔が掘られていた。
「あのひとはどんなふうに喋るのだろう。どんな風に微笑むのだろう。」
花は何が好きなのか、どんな音楽が好きなのか。
僕はしらないことばかりなのだ。と思うたび、会いたい思いが一層強まる。
しかし名前も知らない彼女に会う手立ては彼には無かった。
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