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「…精霊枠か…周りが知ればさぞかし驚くだろうな」
「いやいや、普通の人間枠にしといてくれよ…面倒な事態は勘弁だ」
「分かった、このお土産があれば追加も容易い…任せておけ」
周りの反応を想像したのかニヤリと笑う元上司にツッコむように拒否ると嬉しそうに瓶を翳してラベルを見る。
「そんなに喜ぶほど珍しいのかよ…んじゃま、昔世話になったお礼として…個人的に暑くもねぇし、時期でもねぇが暑中見舞いとして…」
「…いいのか?本当に良いのか!?」
「俺の出身地である異国では、昔世話になった人には恩返しの意味を込めて物をあげる習慣があってな…物をあげるのはコレで最後だが」
どうせまだまだいっぱいあるし…と、残暑だか暑中だかの見舞い的な理由で昔の恩返しとしてもう一つ渡す。
「…ふっ、なるほど…口封じとしての意味合いもあるワケか」
つくづくお前は食えない奴だ…と、元上司はなんか勝手に深読みして意味不明な誤解をしたまま瓶を受け取った。
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