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わたしの反応は、その場にいるメンバーたちには新鮮に映ったようで、みんな素直に自己紹介をして来た。女の子で紹介されたのは彼女、佐脇ナツさんだった。男子は、草凪由之(くさなぎよしの)さんと、佐木透馬(さきとうま)さんが少しだけ照れくさそうに名前を言って来たのが印象的だった。
「みんな個性ある名前なんですね。覚えやすいです」
「みずほって、年上っすよね? タメ口でいいんで、というかその方が全然いいっすよ!」
そうは言われても、こんなに誰かと話をしたのも久しぶりすぎて言葉に詰まってしまう。人と話すのってこんなに神経を使うものだったんだ。どうすればいいのか分からずにしているわたしに、由之さんが声をかけてくれた。
「オレのことも、よしのって呼んでいいから。だから、みずほって呼んでいい?」
「よしの……くん。じゃあ、それで」
「うん。よろしく」
「みずほさん、泰史はチャラいけど、一応サークル代表だから好きに使ってください。私のことも好きに呼んで下さいね。そのうちに、ちゃんと活動するのでその時になったら教えます」
確かにチャラそうだけど、彼の素直な受け入れがわたしを助けてくれたと言っても間違いじゃないかもしれない。こうして学生生活3年目にして、ようやく誰かとの繋がりが出来た……そんな気がした。
メンバーはそんなに多くなかったけど、わたしには丁度いいかもしれない。何より、チャラくても気軽に話しかけて来る泰史くん、もう一人の女子のナツ。そして、優しく声をかけてくれたよしのくん。透馬さんは、元々口数が多くないらしくて大人しい印象を受けたけど、みんな親切そうで安心を覚えた。
異文化交流というサークルに賭けたのは、国籍の違う人とのコミュニケーションを取る目的だと思ったし、そういうことなら、歳の差は気にしないで接してくれそうな予感がしたからだった。社会人の時でも、消極的で男女問わずに、話をするの事の無かったわたしにとっては正解だったのかもしれない。
「あ、そうだ。みずほ、連絡教えとくから登録しといてね。なんかあったら、発言していいよ。何かなくても気楽によろしく~」
「は、はい。あ、じゃなくて……うん。そうする」
「うし、じゃあ今日はやることないし、どこか行く?」
会社勤めでも誘いを断って来たわたしは、どう返事をするべきなのか悩んでしまった。
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