1章 パラレルワールド

5/5
前へ
/5ページ
次へ
目を開けると、そこは別世界だった。 地面は硬いコンクリート。そびえ立つ高層ビルの群れ。噂に聞いていたブシやキゾクらしき姿は全く見えない。 というか、この国の人々は背が高い。 僕が必死に見上げても、顔は一切見えないのだ。 こんなに大きければ、ノリエル達にも対応できるだろう。もしかしたら楽勝かもしれない。 しばらく歩くうちに、ふと異変に気づいた。 「僕…四足歩行してる?」 まさかと思って店のウィンドウに映る自分を見た。 そこに映っていたのは、茶色のトイプードルだった。 「え、ええー!?!?!?」 言葉は話せるが、犬になってしまったらしい。 焦って懐を確認した。 …良かった。プリキュアのもとは健在だ。 いちにーさんしーごーろく…あれ!?7個目がない!? ラベンダーのもと、フレアのもと、シトロンのもと、シャンプーのもと、フォレストのもと、シャワーのもと… リンスのもとがない!?!? やばい、どうしよう。 着陸の時の衝撃でどこかに落としてしまった。それ以外考えられない。 ......クビだ。 全身から血の気が引いた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加