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1章 パラレルワールド
パラレルワールドはご存知だろうか。
一応説明しておこう。
パラレルワールドとは、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。 「異世界」、「魔界」、「四次元世界」などとは違い、パラレルワールドは我々の宇宙と同一の次元を持つ。
(Wikipediaより引用)
事件はパラレルワールドのひとつ、小さな王国で起こった。
その名はソープ王国。古くからの伝承を受け継ぐ伝統ある国であり、観光名所でもあった。
その国が、突如、滅びた。
時間は少し戻り、場所はパラレル警察署本部。
ヒラ警官の「てと」は今日も熱心にパラレルワールドのパトロールをしていた。
説明しよう。パラレル警察とは、パラレルワールド間を唯一行き来できる手段であり、パラレルワールドの治安を維持する、まさにパラレルワールドの警察なのだ。
てとがいつものようにソープ王国に足を踏み入れた時、びりりと悪寒が走った。
異変を感じたてとは、急いで城下町まで走った。
たどりついてみると、そこはもういつものソープ王国ではなかった。
店や家は崩壊し、地面にはいくつもの亀裂が走っていた。
そしてなにより……国民が1人もいない。
一体、何が起こったんだ。
訳も分からず、しばらく立ち尽くしていた。
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