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猫はバイト仲間と出会った
次の日の夕方遅くに、一応それでも人目を憚るようにして、由紀はその場所に向かった。電話した感じでは『とりあえず、誰でもいい』みたいな雰囲気も無いでは無かった。
「……あのぉ、さっき電話した者ですが」
そこは何の変哲もない、唯の事務所のようだった。由紀はドアを開け恐る恐る中を覗く。
「誰? あぁ、さっき電話くれたコね。いいよ、入って。」
責任者と思しき中年の男性が由紀を招き入れた。
「ま、仕事の内容はさっき電話で答えた通り。要は、色んな男達のメールの相手をしてやって欲しいワケ。給料は時間給の他に相手のメールを1件引き出すについて、これだけ」
電話口で加護と名乗ったその男は、そう言って電卓の数字を見せた。口で言いたくないのは、この事務所で既に働いている別の女の子に聴かれたくないからだろう。成績によって単価が変わるのかも知れない。
「これでオーケー? あぁ、そう。だったら、そこの三番目の席、使ってくれる? そこ空いてるから。キミの指定席にしておくよ。あぁ、そうだ。君の名前、何て呼べばいい? ユキちゃん? 了解。じゃ、後は頼むよ。何か分からない事があったら、近くの人に聞いて。頑張ってね」
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