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ぬめりのある湯を絡めて首筋から背骨の両脇を指で押されるだけで、声が漏れそうになる。
胸の小さな蕾を弄られて、思わず身を捩り足掻いた。
「ダメだっ……て……」
「好きだろ? こう言うの」
「ちょっ……まっ……」
「……俺は素人だからな。知識はあっても、プロのスキルには敵わない。その上、七つも年上なんだ。飽きられて捨てられたら、堪らない」
「バッカ……ちょ、まっ……ホントに、待てってばっ!」
その素人に翻弄されていると言うのに、このオッサンにはそれが見えてないらしい。
こちとら“ゲイポルノ界の女王”だぞ。手扱きでイカされた挙句、ローション風呂に入ってマッサージされるだけで、理性崩壊間近だと言うのに。
「俺はオッサンの彼氏になったんじゃないのかよ?」
「そうだが?」
「なら、何でそんな事言う? 俺は別にオッサンに凄いセックススキルなんて求めてない……」
「求められてなくても、俺が一番になりたいと思うのは当然だろう?」
「だっから……もう、あんたとしかしないんだろ! 比べる必要どこにあんだよっ? 頭良いのかボケなのかキャラ統一しろよっ!」
「俺だけ……か。今路、俺の事、好きか?」
怒ったり、笑ったり……まだ泣き顔は見た事ないけど、いろんな顔が見れる様になって、今路の中で先生だったこの男は、ただの男になった。
こんな甘えて縋る様な眸を向けられて、可愛いと思う位には――好きだ。
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