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「お前が俺の物なら、俺もお前のもんだ。好きなだけ甘えたら良い」
過去回想に浸る今路の耳元でそう囁くと、千歳の手の動きが速まる。
お互い中途半端になっていたせいで、業を煮やした千歳の指は後孔の周りを撫で始める。
滑りの良い指先が入りそうで入らない、今路は弄ばれているのだと分かって下から仰ぐ様にキスをし、強請った。
「指、入れて……」
千歳の細くて長い指がゆっくりと奥へ貫かれて、今路は背を撓らせて息を吐いた。
湿度の高い浴室と滑りの良い石鹸のせいで、ずるりと引き抜かれる度に目の前がチカチカ瞬く。
「あっ……んぁっ……あっん……」
腹側に折られた指が熱の溜まり場を押し上げる度に、嬌声が漏れた。
浴室に響くせいで自分の声がやたらと耳に着いて、蒸気と涙腺から滴る甘い水のせいで、朦朧とする視界には緩んだ千歳の顔が見える。
嗚呼……愛おしいものを愛でるこの顔を見たかった。
雁を擦られて鈴口を指先で執拗に撫でられ吐精を焦らされれば、中で内壁が千歳の指を招く様に波打つ。
「あ、も、イッ……」
「イキそうか?」
「んっ……あぁっ……!」
今路は競り上がるままに白い蜜を吐き出し、締りの悪い口の端からは涎が零れて、千歳はその口の端を舌先で舐め上げた。
「わっるぃ顔してんな……オッサン」
「可愛いと思ってんのに、ディスるな」
体が冷えると湯を張った浴槽に折り重なって入り、千歳の薄い胸に背中を預ける。
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