ケルベロス

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ケルベロス

 コレで決まった。校内での全面戦争を開始する。  そのときタクミのスマホが鳴った。    レイブンからだった。 《どうやら脅迫には失敗したようだな?》  どうしてそのことを?  何とマユたちのボスはレイブンだったのだ。 「レイブン、アンタは何者なんだ?」 《俺は各国のスパイ部隊を指揮している。ニューヨークの事件以来な?》  ニューヨーク……9・11? 《日本の組織はケルベロスってゆー名前だ。マユはナカナカ心強いだろ?タクミ、君には期待している》  レイブンとの通話を終えた。    マユが咳払いをした。   「仲間を紹介するわ、羅刹」  ソイツは巨漢のコックだった。  身長は200はあるだろう。 「それでマユさん、何をしますか?」  羅刹は低い声で言った。 「これから中学校を占拠するわ、校長をギャフンといわせてやりましょう?タクミは夜から頑張ってもらうわ?一休みしてきなさい」  羅刹は3人の部下を従えマクドナルドを出た。  PM12:04 「さてと、ひと暴れするかな」  羅刹が昇降口の窓を拳で叩き割る。  すごい力だ。みるみるウチに粉々になった。部下の陣は唖然としていた。  陣は警棒でガラスを叩き割った。  凄まじい音に教員たちが集まってくる。 「貴様ら何してる!?」  体育の黒木と技術の戸川だった。 「陣!」  黒木が叫んだ。  陣はこの学校のOBで黒木から散々しごかれていた。黒木は剣道部の顧問だ。  陣はニューナンブをぶっ放して黒木を殺した。羅刹の拳が戸川の腹にめり込み、吐血して戸川は死亡した。  陣もタクミと同じクラスだったのだが整形しているため、タクミは気づかなかったようだ。  陣はタイムマシンを使って2040年の世界に行ったことがある。  エアーカーが空を飛んでいた。  超電導磁石+コイルで動く空飛ぶクルマ。コイルに電気を通して磁力を発生させ車体を浮上させるのだ。  液体ヘリウムや液体窒素でマイナス200度近くまで冷却させる必要があるが、常温でも超電導状態を保つ冷却装置が開発された。  また軌道エレベーターも完成し、食事やゲームをしながら宇宙へ旅行が出来るようになった。
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