封鎖

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封鎖

 LEVEL2 7100円 HP100 BP120 久喜駅前にやって来た。朝の日差しはとても強く、今日も暑くなりそうだ。  発車のベルが響く。  ヘリの音が近づいてきた。 「ハコチョーの命令で迎えに来た」  隊員が言った。  タクミは察知能力が備わっていた。  死ぬ前は先生から『察しが悪いね?』なんて言われたりしたもんだ。  頭の中でYMOの『RYDEEN』が響いた。ヘリが離陸する。 「時岡って単なる交番長だろ?ヘリを飛ばせたり出来る権限あるのかな?」  操縦桿を握る隊員に尋ねた。 「ハコチョーは俺達の親父様だ。ハコチョーの為ならいつでも死ねる」  天皇じゃないんだから。 『ハコチョー!万歳!』ってか?  ド田舎の警官ってのは仮の姿なのだろうか?  向日葵町の上空を偵察フライトした。 駅、幹線道路とあちこちの交通網が遮断されていた。ただ、封鎖されていない場所が1つだけ残っていた。  松山大橋だ。  この青いアーチ橋を越えると富士岡市に出る。  その橋で激しい銃撃戦が繰り広げられていた。  近隣の合同警官隊とクロックだ。  警官隊はニューナンブ、それに対してクロックはショットガンやマシンガンで応戦している。敵うはずがない。  既に5人の警官がゲームオーバーになっていた。 「畜生!ここを封鎖出来れば……」  隊員が呻いた。  隊員の名前がリキマルってことが分かった。  リキマルが他班に松山大橋への救助を要請し、その場を離れた。 「ねぇ?見捨てるの?」 「俺達の戦場はここじゃない」   
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