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悪魔の復活
このままだとマズイ!いつ撃たれてもいいように靴下を食った。
納豆みたいな汗の匂いが口の中に入ってくる。
時岡は唖然としている。
「どっ、どうかしたのか?」
「塩分補給は大事ですからね?」
「何をやってる!早く処理しろ!」
しばらくしてスピーカーからロボットみたいな声が聞こえてきた。
《悪いな?頭に来たからバーさん殺しちまった。早くブツを用意しろ……今度はガキを殺す》
テロリストは透明人間だった。
タクミと同じ人種なのだろうか?
変なものを食べると特殊な能力を発揮する……みたいな?
テロリストが銃を突きつけたのは近くのアパートのガキだ。
「待ってくれ!全力で探している。しかし、戦前のものだ。見つけるには時間がかかる」
《黙れ!約束の時間は最初に指定した午後6時までだ。それまでは待たない、1秒でも遅れたら爆破する》
「市民には何もするな?ここに助っ人を用意した。彼がブツを探し出す」
《よし、そいつに変われ》
「俺が何とかするから、これ以上血を流すな」
《ん?その声は……久しぶりだな?タクミ》
タクミはその声に吐き気を感じた。
何故、奴が生きているんだ?
スメラギはタクミが殺した。頭を撃って、殴って、フォークで刺して、爆弾でバラバラにして、毒を飲ませて、バイクで轢き殺して、斧でズタズタにして……これまで何度殺したか分からないくらいだ。
「キッ、貴様は!?」
《俺は血を見るのが好きなんだ。帰って来てやったよ?おまえの元へ》
間違いなくスメラギの声だった。
スメラギは街の東側にあるロマネスク様式の洋館に住んでいる。
館の中には無数の照明器具が置かれて、アーチ天井の通路を照らしていた。
その通路には6体の卵状の物体があったのを覚えている。
スメラギは暴力組織を学校内に設立し弱者から金を毟り取ってきた。
タクミも犠牲者の1人だ。
《貴様を倒すのは最後だ。待っていろ?》
タクミは時岡の依頼を受けることにした。時岡からスキャンダルの詰まったテープを受け取った。
さて、これからどうするか?
そのときマユから電話がかかって来た。
《屯所の救出に成功したわ……合流しましょう?》
国道沿いにあるマクドナルドで落ち合うことになった。
「おまえにプレゼントがある」
時岡からスーパーカーをもらった。
カッチョイイ自動車だ。
タクミ号って名前をつけた。
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