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手紙は二通
リエの手紙はいつもいつも。
彼氏の愚痴ばかり書いてある。
なんかうんざり。
もっと楽しいことも書いてくれればいいのに。
春になると桜は1年で1番輝いてる。
すぐ散ってしまうけど、桜の絨毯になってそれもそれでいい。
風に乗って舞う桜の花びらはずっと見てられる。
私も桜みたいに輝けないかな。
時々思う。
家のポストを覗いたら、手紙が2通入っていた。
リエ、2通送ったの？？
部屋に戻り見てみる。
1通はリエのだった。
もう1通は…
差出人書いていない。
誰だろう。
中を開けて見た。
『橋下なつみ様
お元気ですか？僕のことわかりますか？
いつも桜の木の下で遊んでいたよね。
最近、実はそっちに戻ってきたんだ。
また会える日を楽しみにしています。
山川宏樹より』
ヒロキくん…
覚えてる。しっかりと。
私は子供の頃から住んでる場所は変わらない。
だからきっと住所わかったんだね。
懐かしいな。
「なっちゃん、大人になったらお嫁さんにするから！」
よく言ってくれてた。
いつも楽しくて楽しくて。
時間も忘れて遊んでいて、よくお母さんに怒られてた。
今はどうしてるんだろう。
私もまた逢いたい！
でも住所が書かれていなかった。
これじゃあ、送れないよ。
ヒロキくんらしいや。
私はワクワクした気分になっていた。
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