桜の木に寄り添う

遭遇

疲れが溜まった時に甘いものって。
たしかに吹き飛んだ気がする。
ありがとう。

次の日。
私はすっきりした気持ちで出勤した。

優しいアロマの香り。

仕事しながらこんなリラックスした雰囲気。

他にきっとこんな癒される仕事ってあるのかな。

私は他の仕事の事は分からない。

毎日、来てくれるお客様に、

すっきりしたー。癒されたよ。
ありがとう。

色々な言葉を頂いてる。

私もありがとうという気持ちになる。

店長にも。

仕事がひと段落して、やっと休憩だぁー。

お腹すいたと思って、外に出た。

安西さんの姿が見えた。

「あ、安西さーん！」

見つけた瞬間。
呼んでしまった。

でも安西さんは1人じゃなかった。

「こんにちは！なつみちゃん。私の彼氏、ヒロくん！」

やっぱりあの人だった。

ヒロくん？

「はじめまして。」

私は思わず、はじめましてと言ってしまった。

桜の木に置いた袋の人。

桜の木の下でよく遊んでいたヒロキくん。

すべてがつながった瞬間だった。