桜の木に寄り添う

新しいカフェ

安西さんは、私より少し年上の優しいお姉さん。

大人の女性だ。

いいなぁ、憧れる。
素敵な人だ。

安西さんと私は、休みの日にカフェに行く約束をした。

最近できた新しいカフェ。

クロワッサンが有名なお店。

「ここのクロワッサン、本当に美味しいね！」

「はい！とても！」

「なつみちゃん、彼氏いるの？」

「いないです。」

「そうなんだ！私は彼氏いるんだー！でもその彼が最近冷たくて。」

「そうなんですね。」

マンネリしちゃってるのかな？

「最近、彼氏がさ、写真撮ってくるの。木の写真ばっかりでさ。」

「木の写真ですか？」

「花が咲いてる時みたけど、たぶん桜の木だとおもうんだー！」

「写真好きな人なんですね！」

「そうなのー。困っちゃう！私があげたハンカチも無くすし。」

ハンカチ？

もしかして。
なんとなくピンときていた。

安西さんの彼氏さんだったのね。

あのハンカチ、やっぱり落し物だったのね。

持って帰って、洗ってしまった。

返さなきゃ。

でも安西さんに渡したら、きっと

へんに思われるよね？

どうしよう。