突然の出会い

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突然の出会い

楽しい会話も終わり家に戻った。 どうしよう。 返さなきゃだよね。 私は慌てて、そのハンカチを桜の木の下に袋に入れてわかりやすいように戻した。 手紙はやっぱりなかった。 私は、ハンカチお返しします。と手紙に書いて置いといた。 あの人ちゃんと取りに来るよね? 今日、大好きなお店のセールの日だ。 買いに行きたいと思ってたんだ! 売り切れてないといいな。 私は買い物をして、お洒落する事が1番の楽しみだった。 あれも可愛い、これも可愛いとついつい買ってしまう。 …はぁ。今日も買いすぎだ! 荷物をどっさり膝の上に乗せて進んでいたら、 工事している道路にきてしまった。 …この道、ガタガタだ。進みにくいなぁ。 その時だった。 知らない男の人が、後ろから押してくれた。 「大丈夫?押しますね。」 「ありがとうございます。」 「買い物しすぎでは?」 「ついつい。」 余計なお世話よ。 でも助かった。 「ありがとうございました。助かりました。」 「それでは、気をつけて。」 その人は見覚えのある袋を持っていた。 「あ、あのー!」 あっという間に男の人は行ってしまった。 あの袋…。 私がハンカチを入れた袋だった。 あの人…もしかして。 それは、突然の出会いだった。
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