あの人

1/1
前へ
/141ページ
次へ

あの人

あの人って あの袋…やっぱり…そうだよね? 家に帰ってからも、ずーっと考えていた。 あの袋を取りに来たってことは!! 私は急いで桜の木に向かった。 置いたはずの袋がなくなっていた。 やっぱりあの人だったんだ! 手紙も添えられている。 『ありがとう。』 それだけが書いてあった。 少しだけがっかりした。 もう手紙のやりとりがなくなってしまうと思うと寂しかった。 でもあの人は。。。 仕方ないと自分に言い聞かせた。 … 次の日。 「おーい!なつ、聞いてる?」 「あ、なに?」 「さっきから話しかけてましたけど?」 全然気づかなかった。 頭の中がぼーっとしてしまっている。 「なつ、具合わるいんじゃない?帰りな!」 店長はいつだって優しい。 いつも気にかけてくれている。 あの事故の発見者も店長だった。 「すみません、今日は帰ります。」 こんな状態でいても迷惑だよな。 私、どうしちゃったんだろう。 今日は、雲ひとつない空だった。 空ってこんなに広いんだよね。 ふと思った。 突然、メールが届いた。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加