嘘とジェラシー

オレと彼女の出会い

　おとんとおかんを何日も説得して、ダンススクールに通わせてもらった。

　それが９歳か１０歳の頃やから、キャリアだけで言うたらもう１８年ぐらいか。

　当時のオレは、一生懸命練習してダンスが上手くなったら、夢なんて簡単に叶えられるんやと思ってた。

　せやから、周りの友達がゲームして遊んでる間も、オレはステップやターンを必死で練習した。

　その甲斐あってか、ダンスの大会で何回か優勝したこともあった。

　経験を積んで、実績を積んで、いつかは国内外の超有名なアーティストからひっきりなしに指名されるような、一流のダンサーになるんやって信じてきたけど、結局、２７になった今も夢は夢のままで。

　オレはマイケルにはなれんかった。