8253人が本棚に入れています
本棚に追加
*
「……別れてほしいの」
1年近く付き合ってたカノジョに何の前触れもなくいきなりフラれたのは、今からもう2年ほど前のことになる。
「急になんで?オレ、何かした?」
寝耳に水やったオレは、当然別れ話をすぐには受け入れられんかった。
「悠二が悪いんじゃないけど……私ももう28だし、親もうるさいからそろそろ結婚のこととか前向きに考えたいの」
オレに結婚を催促するワケでもなく、美恵はただただ表情を曇らせ、頭を下げるだけやった。
「……ごめんね。最近ずっと考えてたの。悠二の夢は応援したいけど、親にダンサーと付き合ってるなんて言えなくて。本当にごめんなさい。今までありがとう。ダンス、頑張ってね」
一方的に言うと、美恵はオレの部屋から出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!