オレと彼女の出会い

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「へえ。じゃあ何でここにおるん?彼氏はもう来えへんねんやろ?」 「べ、別にいいでしょ!」  強がってる彼女が、すごくいじらしく思えた。 「なあ、ほんならフラれたもん同士、今から飲みに行かん?この近くに行きつけのバーがあんねん」 「結構です!わたし、もう帰りますから」 「一杯だけ付き合ってよ。独りやったら辛くて泣いてまいそうやから」   帰ろうとベンチから立ち上がった彼女の手を咄嗟に掴んでるオレがいた。  泣いてまいそう、なんて口走ったけどオレは別に悲しくも辛くもなかった。  ただ、何でか分からんけど彼女をこのまま独りで帰したらあかんような気がした。  さすがにビンタぐらい食らうかなと思ったけど、彼女は意外にもオレのことをじっと見下ろしていた。
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