俺と彼女のすれ違い

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「忙しくてもちゃんと愛情をかけて育ててくれた両親には感謝してるけど、小さい頃はすごく寂しかったっていう記憶しかなくて。だから、わたしは専業主婦になるのが夢なの」 「専業主婦が夢ってかなり現実的だね」 「子どもがある程度大きくなるまでは家にいて、いっぱい遊んであげたいから。こういうのは夢って言わないかな」  そう言って笑うくるみを見ていたら、なぜだか胸が熱くなった。  どうしてこんなに動揺しているのか、自分でも分からなかったし、深く考えることもなかった。  この時は、取るに足りないたわいもない話だと思っていた。
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