俺と彼女のすれ違い

13/28
前へ
/1603ページ
次へ
「ねえ、稜サン……」  しばらくすると、くるみはゆっくりと俺を見上げた。 「ん?なに?」 「ううん。何でもない……」  目が合うと頬を染め、くるみはまた俺の胸に顔を埋めた。 「ええ?なに?気になるなぁ」 「ううん。いいの。お仕事頑張ってね」  不平も不満も言わず微笑むくるみがいじらしくて、思わずキスをしてしまった。 「……稜サンには隠し事できないな」 「え?」  真っ赤な顔で俯いているのを見て、さっき何を言いかけていたのか察した。  可愛い奴め。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8253人が本棚に入れています
本棚に追加