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『急な接待が入った。大事な接待だから断れない。ごめん。この埋め合わせは必ずするから』
先方の社長が席を外した隙にくるみにLINEのメッセージを送った。詳しく説明する時間もないので、接待だと嘘をつき信じられないほど味気ない文章を送った。
器用じゃない俺は、今のような緊迫した状況の中で「おめでとう」なんて明るい言葉を送る気にはなれなかったし、言わなければいけないからとりあえず言うのは嫌だった。顔が見えないからこそ、お祝いのメッセージくらいは気持ちを込めたい。
『仕事だったらしょうがないよね。じゃあ稜サン家の近くで待ってるから、終わったら連絡下さい』
いつもようにすぐに既読がつき、返事もすぐに返ってきた。
今日も東京に帰れるかどうか分からないのに、待たせる訳にはいかない。
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