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『待ってもらっても何時に終わるか分からないからいいよ。じゃあもう始まるから』
社長の足音が聞こえ、慌ててスマホを鞄に放り込んだ。
こんな時間まで黙って待っていてくれたくるみのことを思うと、今すぐにでもすべて投げ出してくるみの元に行きたかった。
せめて誕生日くらいは一緒に祝ってやりたかったのに……。
思いも虚しく、日付は14日も過ぎてしまった。
彼女の誕生日もまともに祝えず、さっきからすみませんと申し訳ないを繰り返すだけ。
俺が悪い訳でもないのに、なんでここまでしなければいけないんだろう。
ここまでやる意味があるのか?俺は何のためにここまでしてるんだろう。
苛立ちがピークに達しそうになった時、ふとあの日のくるみの言葉が浮かんだ。
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