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『わたしは専業主婦になるのが夢なの。子どもがある程度大きくなるまでは家にいて、いっぱい遊んであげたいから』
自分と会社のためだけなら、ここまではできなかったと思う。
できない無理をして世界中を駆けずり回り、下げたくもない頭を下げているのは、子どもと無邪気に遊ぶくるみの笑顔が見たいと思ったからだ。
俺はいつの間にかくるみと家庭を持つことを想像していたらしい。
そのことに気がついた瞬間、あともう少し頑張ろうと思えた。
くるみと子どもを養うためには経済力が必要だ。
病んでいる暇などない。何としてもこの窮地を乗り切ってやる。
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