Fatal Attraction

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 彼女は遊び慣れたタイプでもないし、ほんの数時間一緒におっただけでも彼氏のことが好きなんやっていうのは痛いほど伝わってきた。  好きやからこそ辛い。  オレと寝るつもりになったのは、彼氏への当てつけやろう。  別にそれでもいい。  寂しさを紛らわせるためだけの相手やとしてもええと思えた。  どうやらオレはくるみんのことが……。 「そんなとこにボーッと突っ立ってんとこっちおいでよ」  ドアの前に立ったままの彼女を手招きする。 「ああ、うん……」  ベッドの隅っこに座っている彼女の背中は微かに震えていた。
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