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一度唇を離して見つめ合い、再び顔を近づけていくと彼女は顔を逸らした。
自分からキスしてきたわりに、まだ決心はついてないらしい。
「ここまで来て躊躇うことないやろ?オレのせいにしていいから、今だけぜんぶ忘れて楽しんだらええやん」
さすがにここまで来て、やっぱり帰ろうかって言えるほどオレは紳士じゃない。
キスされた瞬間に、オレの紳士的な部分はぜんぶどっかいった。
ただ、彼女を抱きたかった。
ほんのひとときでも、彼女をこんなにも悲しませてる男のことなんか忘れさせたかった。
自分を責める必要なんかない。
誕生日を祝ってくれへん男にも責任はあるんやから。
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