Fatal Attraction

15/32
前へ
/1603ページ
次へ
 一度唇を離して見つめ合い、再び顔を近づけていくと彼女は顔を逸らした。  自分からキスしてきたわりに、まだ決心はついてないらしい。 「ここまで来て躊躇うことないやろ?オレのせいにしていいから、今だけぜんぶ忘れて楽しんだらええやん」  さすがにここまで来て、やっぱり帰ろうかって言えるほどオレは紳士じゃない。  キスされた瞬間に、オレの紳士的な部分はぜんぶどっかいった。  ただ、彼女を抱きたかった。  ほんのひとときでも、彼女をこんなにも悲しませてる男のことなんか忘れさせたかった。  自分を責める必要なんかない。  誕生日を祝ってくれへん男にも責任はあるんやから。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8254人が本棚に入れています
本棚に追加