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「可愛いで、くるみん」
オレに言われたって嬉しくもないやろうけど、言わずにはおれんかった。
彼女にとっては、オレは単なる身代わり。
それでもいい。
例え、身代わりでも今彼女を抱いてるのはオレやから。
「んっ……あぁ……」
我慢するように自分の指を噛みながら掠れた声で彼女が喘ぐ。
まるで泣いてるみたいで、オレは彼女を思い切り抱きしめた。
悲しくて寂しくて誰かに縋りたい夜もある。
彼女はきっと、そういう夜を独りで何度も乗り越えてきたんやろう。
ずっと彼氏のこと庇ってたけど、ドタキャンされたのはこれが初めてじゃないんやろうなっていうのは、オレでも分かった。
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