8255人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、目が覚めると9時を過ぎていた。
「えらいこっちゃ。くるみん遅刻ちゃうん?アレ?」
ベッドに彼女の姿はなかった。
便所か?風呂入ってんかな?
そのどちらでもなかった。
オレに黙って彼女は帰っていた。
連絡先も交換してないのに、部屋には置手紙のひとつもなく、まるで昨日のコトが夢やったかのように、彼女の痕跡がきれいさっぱりなくなっていた。
独り寂しくシャワーを浴び、自分が一夜だけの相手やったという現実を噛み締めた。
ホンマにこういうのは初めてで、オレは戸惑いを隠せんかった。
最初のコメントを投稿しよう!