Fatal Attraction

22/32
前へ
/1603ページ
次へ
 翌朝、目が覚めると9時を過ぎていた。 「えらいこっちゃ。くるみん遅刻ちゃうん?アレ?」  ベッドに彼女の姿はなかった。  便所か?風呂入ってんかな?  そのどちらでもなかった。  オレに黙って彼女は帰っていた。  連絡先も交換してないのに、部屋には置手紙のひとつもなく、まるで昨日のコトが夢やったかのように、彼女の痕跡がきれいさっぱりなくなっていた。  独り寂しくシャワーを浴び、自分が一夜だけの相手やったという現実を噛み締めた。  ホンマにこういうのは初めてで、オレは戸惑いを隠せんかった。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8255人が本棚に入れています
本棚に追加