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「あれ?苗字ヒカワちゃうやん。香山やん」
偽名やったんや。そんなことするなんて、ちょっと意外。
彼女は気まずそうにネームプレートを隠したけど、もう遅い。
「どうせ彼氏の名前かなんかやろ?まあ、名前なんて何でもええけどさ。はい、これ」
とりあえず、プレゼントを差し出す。
「え、何!?」
「昨日、誕生日やったんやろ?」
茫然としてる彼女に無理やり紙袋を手渡した。
「今日何時に終わんの?一緒に飯でも食わん?改めてお誕生日会しよや」
「食いません!っていうか、あなたとはそういうんじゃなくて、何て言うか……ただの行きずりなんだから、こういうことされたら迷惑なの!」
薄々は気づいてたけど、彼女の口から”行きずり”なんて言葉は聞きたくなかったな。
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