俺とアイツの出会い

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 それでも、家で寝てる訳にはいかず必死で明日のプレゼンの準備をした。  相手は大手メーカーだ。ちょっとやそっとのメリットじゃ納得させられない。かといって、価格を落とせばうちの利益が減るどころかマイナスになりかねない。それでは意味がないし……。  寝ぼけた頭で良案など浮かぶはずもなく、机に向かったまま時間だけが過ぎていった。  夜の7時を過ぎた頃、心当たりのないドアホンが鳴った。  無視するつもりだったが、ちょうどトイレに立ったところだったので何気なく応答ボタンを押した。 「はい」  モニターにはくるみの姿があった。 「あ、あの……」 「え?どうしたの?」  早退したことは連絡していなかったのに、偶然にもくるみが訪ねて来たのだ。
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