俺とアイツの出会い

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 きちんと祝える状態じゃなければ「おめでとう」なんて軽々しく言いたくないと思ってしまうワガママで不器用な男をどうか許してほしい。  都合の良いことを願っている俺はまだ知らなかった。  この時、くるみはすでにもう……。   必死で準備したプレゼンは自分としては及第点だと思ったのだが、大きな取引がそう易々と決まるはずもなく、返事は保留となった。  しばらくは接待漬けになりそうだと憂鬱な気持ちになりつつ、そうなる前に短い時間でもくるみに会いに行こうと思った。  この間は門前払いするようなことになってしまったし、きちんと謝っておかなければ。
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