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「ち、違うよ!あ、あの人は全然そんなんじゃない!」
「でも、向こうはくるみに気があるみたいだったし、家の前まで送ってもらうなんて気心が知れた相手なんだろ?」
くるみは大慌てで否定したが、俺の問いかけには即答しなかった。
「あ、あの人ね。友達の友達なんだけど、いいって言ったのに、夜は物騒だから送るって聞かなくて。何かあったら友達に顔向けできないからって。だから、本当に心変わりしたとか、そんなんじゃないの!」
心臓の音がこっちまで聞こえてくるんじゃないかと思うほど、くるみはテンパっていた。
尋常じゃない慌て方を見るに、俺と別れるつもりはないのかもしれないが、あの男が友達の友達でないことは確かだ。
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