俺とアイツの出会い

14/30
前へ
/1603ページ
次へ
「ち、違うよ!あ、あの人は全然そんなんじゃない!」 「でも、向こうはくるみに気があるみたいだったし、家の前まで送ってもらうなんて気心が知れた相手なんだろ?」  くるみは大慌てで否定したが、俺の問いかけには即答しなかった。 「あ、あの人ね。友達の友達なんだけど、いいって言ったのに、夜は物騒だから送るって聞かなくて。何かあったら友達に顔向けできないからって。だから、本当に心変わりしたとか、そんなんじゃないの!」  心臓の音がこっちまで聞こえてくるんじゃないかと思うほど、くるみはテンパっていた。  尋常じゃない慌て方を見るに、俺と別れるつもりはないのかもしれないが、あの男が友達(・・)友達(・・)でないことは確かだ。
/1603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8253人が本棚に入れています
本棚に追加